商品をシステムで考える
いまはどのニュースソースをみても
エコロジー、原油高の文字が躍る。
特に身近な話題としては自動車の低公害化、
低燃費化についての話題が豊富だ。
三菱と富士重工は電気自動車を一般向けに発売することにした。
電気自動車の燃費は、東京から洞爺湖まででたったの1700円だったそうだ。
(ただし7回の充電休憩を必要としている)
一方でガソリンで走った場合は14000円もかかる。
実に7倍の燃費効率だ。
トヨタは家庭用コンセントから充電もできる
「プラグインハイブリッド」の公道テストを始めた。
ホンダはFCXという燃料電池車を新たに開発しリース販売を始めた。
マツダは水素でもガソリンでも走るロータリー型内燃機関の
試験車両を公道テストしている。
自動車業界のパラダイムは
性能や馬力、コストパフォーマンスを追及してきた時代から、
環境負荷低減を競争力におくパラダイムへと転換している。
それに伴って自動車のマーケティングも大きく変革している。
これまでは1台のモビリティとして、
快適性、走行性、燃費性能を高めるだけでよかった。
しかし、新しいパラダイムではインフラとなる
水素充填、充電設備、交換電池、といった環境が
いまだ整っていない状況である。
これからは社会インフラの中で新しい車作りが求められていく。
業界のパラダイムが変化する過程では、
このように事業を「単一」の製品としてではなく、
インフラを含めて物事を「面」でどのように考えるかは
非常に重要な戦略になる。
このような事例は他にも枚挙に暇が無い。
特にIT関連業界ではその動きがさらに顕著だ。
同じ車の商品としても、カーナビは単一から面への転換を行っている。
これまでは単体としての地図情報、単体としての性能が意味を持った。
しかし現在ではカーナビ同士がネットワークでつながり、
情報をシェアして、渋滞情報や抜け道情報をシェアしている。
製品を単一の固体としてではなく
ネットワークの面として活用した事例である。
パイオニアやホンダのカーナビシステムは
そういう面での付加価値を出している。
デジタルカメラもそうだ。
かつての銀塩カメラは1枚の写真に一球入魂の状態であった。
1枚の写真がどういう評価をされるかに全て掛かっていたのである。
これがデジタル化に伴い、フィルムコストは実質ゼロ円になり、
一方で撮影枚数は実質無限大になった。
いまや一回の旅行で500回以上シャッターを切る人はマイノリティではない。
そうなると1枚の写真としてのクオリティもさることながら、
今度は500枚の写真をどうやって整理し、マネージメントしていくかが
ユーザーにとっては非常に重要な課題になる。
ここでもGoogleの例になるが、Googleの写真管理ソフトPicasaは
写真の一括管理、共有、ウェブアルバム機能など、
デジタルカメラ時代に最適なソリューションを提供している。
このままでは日本のデジカメメーカーは
Googleにアプリケーション層を制圧されてしまうだろう。
ネットワークの技術でいえば、
メインフレームから、パーソナルコンピューティング、
さらにはクライアントサーバー型へと発展したが、
現在はPTP、クラウドコンピューティングといった
主従関係が無いお互いに通信をする技術へと変遷している。
クラウドコンピューティングは、
単体のコンピューターが低性能であっても
ネットワークの分配技術によって
スーパーコンピューター以上の性能を実現している。
企業の人材も同様である。
個人の能力アップはさることながら
低い能力の集まりであってもそれをマネージメントする仕組によって、
チーム全体ではオリンピック選手以上の成果をあげることができる。
現代のマーケティングは、
人材マネージメントとも共通の課題をもっている。

